やればできる

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 しかしここで登場したのが、お得意の「やればできる」発想です(笑)。どうすればコミュニケーション能力を向上させることができるのだろう?

 私は、色彩感覚がないと言われた際に試みた模写を思い出し、成功しているディストリビューターの話し方などを、徹底的にマネすることにしました。

 好きで暗くなったわけでじゃない、努力すれば今よりも明るくなれる(こういう考え方自体、今思うと暗い(笑))。そう、いつも自分に言い聞かせていました。

 なにせ、「やればできる!」しか発想はないのですから!そこで、カリスマといわれる人のセミナーの内容を、テープに録音しました。帰りの電車の中からドキドキし、部屋に着いてちゃんと録音できているかどうかスイッチオンに……。

 音が出た瞬間、私は「これで億万長者になれる!」と確信しました。大成功している人の話がここにある。あとは努力してマネすればいいだけ。そんなふうにこれまた脳天気に思ったのです。その後はテープにとった話をすべて書き写し、一語一句間違えずに覚えようとしました。

 ひたすら練習です。車の中にカセットを入れておいて、エンジンをかけるとテープが流れるようにセットしました。これは効果がありました。車から降りたときには、まるで自分がそのカリスマのような口調で話をしていたということもありました。

 もう一つ、自分自身のコミュニケーション能力を高めるために活用したのが、デール・カーネギーの『人を動かす』という著作です。ここで学んだのが、話すことより聞くことのほうが大事なのだ、ということでした。この本をきっかけに、私は常に人の話を集中して聞くよう努力するようになりました。

 コミュニケーションで重要なのは、お互いに「伝わる」ことです。自分の言葉が相手に、相手の言葉が自分に「伝わる」には、話すこと以上に、聞くことが必要なのだと思います。

 ネットワークビジネスはコミュニケーションビジネスともいわれるように、必要なのは、コミュニケーションのキャッチボールなのです。

 中には、上手に「話す」ことが「伝わる」コツであると勘違いしている人がいますが、いくら上手に話しても、相手が心の扉を開いていなければ、すべての言葉は跳ね返されてしまいます。

 心を開いてもらうために相手の話をまずはよく聞き、キャッチボールのようによいリズムをつくることで、「伝わる」関係を構築していくことができます。
 
 今でこそ「話がとても上手ですね。だから成功できたのですね」といわれることがありますが、話が上手だから成功したわけではありません。「伝わる」コミュニケーションが取れたから、今日のような成功を手に入れることができたのでしょう。この意味で『人を動かす』という本との出会いは、私にとってセンセーショナルなものでした。

 ついて、と言っては何ですが、私が強い影響を受けたもう1冊の本についても、ここでご紹介しておきましょう。

 それはD・J・シュワルツの『大きく考えることの魔術』です。特に20年以上私を支えてくれたのが、次のフレーズです。

 『あなたがあることを不可能だと信ずるならば、あなたの心は、あなたのためにそれが不可能な理由を証明するために働く。しかし、あなたがあることができると信ずるならば、本当に信ずるならば、あなたの心は、あなたのために働いて、それを実現する方法を発見するのを助けるのである」

 最近になって読み返しましたが、やはり素晴らしい内容だと痛感しました。あなたも、「これだ」という本を見つけたなら、それを何度も読み返すことです。その日開いたページからであってもかまいません。

 成功者が何十年もかけて学んだ考え方は、たった1度読んだだけで見につくようなものではないのですから、読み始めてみると、不思議とそのときのあなたに必要なメッセージが記されてあったりするものですよ。